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職種による平均年収の違いは?

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◆約3万5,000人を調査

総合人材サービス会社の株式会社インテリジェンスから、「職種別平均年収2010-2011年版」が昨年末に発表されました。
これは、同社が運営する「DODA転職支援サービス」に登録(2009年8月から2010年7月末まで)した転職希望者のうち、25~39歳の約3万5,000人、59職種の給与データを集計したもので、非常に参考となるデータとなっています。
 
◆6割以上の職種で平均年収が減少
全職種の平均年収は450万円(前年比6万円減少)であり、3年連続で前年を下回りましました。職種別でも、「59職種」のうち「36職種」で減少しています。
職種別の平均年収ランキングのベストテンは、次の通りとなっています。
(1)「投資銀行業務」…891万円
(2)「ファンドマネジャー・アナリスト・ディーラー」…654万円
(3)「コンサルタント」…607万円
(4)「経営企画・事業企画・新規事業開発」…607万円
(5)「ITコンサルタント」…599万円
(6)「MR」…599万円
(7)「プロダクトマネジャー」…597万円
(8)「法人営業(メガバンク・地方銀行・証券)」…576万円
(9)「プロパティマネジャー・不動産専門職」…543万円
(10)「セールスエンジニア・FAE」…542万円
 
◆「企画・事務職」部門の平均年収は?

なお、「企画・事務職」部門については、上位から、「知財・特許」506万円、「マーケティング・商品開発」498万円、「法務」493万円、「財務」488万円、「広報」472万円、「経理」445万円、「人事」443万円、「購買・物流・貿易」425万円、「総務・庶務」410万円、「秘書」409万円、「事務・オフィスワーク」311万円となっています。

◆「同居の親族」のみを雇用する事業も対象に

単独では退職金制度を備えることができない中小企業のための、相互共済の仕組みによる退職金制度である「中小企業退職金共済制度」(中退共)について、厚生労働省は、中小企業退職金共済法施行規則を改正しました(平成23年1月1日施行)。
この改正により、妻や子供など「同居の親族」のみを雇用する事業も、中退共に加入できるようになりました。これは、雇用・経済情勢が特に悪化し、退職後の従業員の生活保障の重要性が改めて認識される中で、事業主と生計を一にする同居の親族のみを雇用する事業に雇用される者であっても、使用従属関係が認められる同居の親族については、中小企業退職金共済法の「従業員」として取り扱うこととしたものです。
 
◆改正後の留意事項
 中退共加入時の留意点は以下の通りです。
(1)同居の親族のみを雇用する事業所か否か(中退共への加入状況ではなく、事業所の雇用実態となります)、加入させる従業員が同居の親族か否かの届出が必要です。
(2)上記(1)において「同居の親族」がいる旨の申込書が提出された場合には、後日、中退共から使用従属関係を確認する「チェックシート」が事業主に送付されます。必要事項を記入のうえ、労働条件通知書等の必要書類と共に返送します。
(3)過去勤務期間については、新規申込時までの、継続して雇用された期間で最高10年間を通算期間とすることができますが、過去に小規模企業共済制度に加入していた期間は通算できません。
(4)同居の親族以外の従業員を雇用する事業所(混在事業所)が、新規加入助成期間中に同居の親族のみの事業所となった場合には、その「新規加入助成」が打ち切られます。
(5)同居の親族のみを雇用する事業所が新規に加入した場合は、新規加入助成の対象となりません。
 
◆「生活保障」としての役割
この他、加入中、退職時とそれぞれのタイミングにおいて、留意するポイントがあり、多少複雑ではあります。しかし、加入することによるメリットも多く、特に生活保障としての役割は大きいかと思われます。
条件に該当する中小企業では、加入の検討の余地は大いにあるでしょう。

◆若年失業者は約50万人

現在、若年失業者(15~24歳)の数は約49万人で、このうち学校を卒業後、一度も就職しないまま失業者になっている人は約12万人に上るそうです。
この年齢層の失業率は8.0%(今年9月時点)で、25~34歳の層でみても5.9%と全世代の平均を上回っており、厚生労働省では「若年雇用は予想以上に厳しい」としています。
また、就職できた若年層についても、手取り収入が減少しています。厚生労働省の調査をもとにした20~30歳代の平均年収(大学卒・大学院卒の男性)の推計は、2009年は前年比4.2%減の478万円となり、3年連続のマイナスでした。10年前と比較すると34万円も減っています。
これは、業績低迷でボーナスが減ったり、賃金の低い非正規雇用の仕事に就かざるを得なかったりする人が多いためと考えられます。
 
◆非正規雇用社員の男性の既婚率は17%
厚生労働省の資料を基に試算すると、今年9月までの12カ月の累計結婚数は69万組台で、このままいくと、2010年は通年で23年ぶりに70万組の大台を割り込むようです。
20~39歳の男性では、正規雇用社員は約51%が結婚していますが、非正規雇用社員では約17%となっています。
2005~2008年に結婚した40歳までの男性を、結婚時点の所得階層別にみると、年収400~500万円では26.0%が結婚していますが、100万円未満は8.9%しか結婚していません。
 
◆「将来への不安」が少子化に影響
上記のように、仕事や収入が安定している若年者は結婚・独立がある程度容易ですが、非正規雇用や低収入の若年者は、親元から離れることができない状況にあります。
その結果、若年層の結婚数が減り、出生率も低迷し、少子化が一段と加速していく可能性があります。

経済や社会保障への影響を考えると、政府の若年者に対する雇用改善政策が急務だと思われます。

◆労働者にとっては厳しい状況

連合総研では、10月に労働者を対象に実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」(勤労者短観)の結果を発表しました。
「景気や勤め先の経営状況」「賃金収入と失業不安」などの項目について調査しており、労働者の厳しい状況がうかがえる結果となっています。
 
◆賃金収入は減少傾向に
1年前と比較した賃金収入の増減については、「減った」(32.9%)と回答した人が3割を超えており、前回調査(34.6%)と比べてもほとんど改善が見られませんでした。
また、今後1年の賃金収入見込みについて「減ると思う」(25.5%)と回答した人が前回調査(21.8%)を上回り、「増えると思う」(16.9%)と回答した人は前回調査(21.0%)から減少しています。悲観的な見方をする人の割合が高まっています。
 
◆4人に1人が「失業の不安」
次に、「今後1年間の失業の不安」について「感じる」と回答した人は25.0%で、過去最高を記録した昨年同月(28.3%)よりは低下しましたが、一昨年の同月調査(23.8%)を上回っています。
また、非正社員(男性53.6%、女性34.8%)や20代(32.9%)が感じる失業の不安は、相対的に高くなっています。
 
◆所定外労働、賃金不払い残業

このアンケート調査では、他にも「所定外労働の状況」「賃金不払い残業の状況」などについての調査を行っており、非常に興味深いものとなっていますので、連合総研のホームページ(http://www.rengo-soken.or.jp/webpage/21.html)を覗いてみてください。

◆「未払い残業」に関するトラブル

このところ、「未払い残業代」をめぐるトラブル事例がマスコミを賑わせています。9月下旬には、大手旅行会社の子会社、流通業界大手のグループ会社の問題が相次いで取り沙汰されました。
今後、様々な要因から「残業代請求訴訟」等が増加するとも言われており、企業にとっては非常に気になる問題です。
 
◆みなし労働の適用をめぐって
阪急交通社の子会社である「阪急トラベルサポート」の派遣添乗員6名は、「みなし労働時間制」が適用されているのは不当であるとして、未払い残業代の支払いを求め、東京地裁に提訴していました。
先日その判決があり、同地裁の裁判官は「みなし労働時間制」の適用を認めたうえで、1人当たり84万円~271万円の支払いを同社に求めました。
判決では、携帯電話による報告や添乗報告書などによる労働時間の把握は困難であったと認定して「みなし労働時間制」の適用は認めました。しかし、ツアーごとに「みなし労働時間」を決定すべきであると判断したのです。
 
◆労基署の是正勧告を受けて
イオングループの「マックスバリュ東北」では、秋田県内の2店舗において未払い残業があるとして、今年の3月に労働基準監督署から是正勧告を受けていました。
その後、同社では、青森・岩手・秋田・山形の全90店舗における未払い残業についての調査を行い、過去2年間で従業員1,009人(8,687人中)が未払い残業を行っていたと認めました。従業員1人当たりの月間の未払い残業時間は平均7.1時間であり、今年の11月末までに未払い総額約2億2,000万円を支払うと発表しました。
 
◆「労務リスク」に備える!
多くの企業は「未払い残業」に関して、非常に大きな労務リスクを抱えています。過去の未払い残業代について、いつ従業員(または退職者)から請求がなされるか、労働基準監督署からの指摘を受けるかわからない時代となっています。

今後は、無駄な残業を発生させない仕組みづくり,労務管理上の工夫、就業規則・社内規定の整備等が、より一層求められるでしょう。

◆全国平均17円の引上げ

厚生労働省の中央最低賃金審議会では、2010年度の地域別最低賃金(時間額)の引上げの目安を全国平均で15円にすると答申していました(現在の713円からから728円へ引上げ)。
その後、各地方最低賃金審議会による調査・審議が行われ、9月9日までにすべての地方最低賃金審議会で答申があり、引上げの目安は全国平均で17円となり、最終的な全国加重平均額は730円となりました。
答申された最低賃金額は、今後、都道府県労働局において、関係労使からの異議申出に関する手続きを経たうえで正式に決定され、10月から発効の予定です。
 
◆「最低賃金」とは?
最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金額の最下限値です。
中央最低賃金審議会が定めた目安を基に47都道府県ごとに定められ、最低賃金に違反した使用者には罰金が科せられるとされています。
 
◆「全国最低800円」の確保はなるか?
政府は、2020年までの目標として「できる限り早期に全国最低800円を確保」と合意しています。今回も大幅な引上げについて議論されましたが、使用者側は最後まで慎重な姿勢を崩しませんでした。
政府目標は「2020年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る経済成長」が前提となっており、中小企業の生産性向上の取組みや、中小企業に対する支援などが課題となっています。

これらの前提条件が実現せず、施策の実効性がないまま最低賃金のみが大幅に引き上げられれば、企業の経営に影響し、雇用の喪失につながるとの懸念があります。

◆10年ぶりの低水準に

2009年度における上場製造業の従業員1人当たりの人件費が10年ぶりの低水準となったことが、日本経済新聞社の調査(新興市場を除く国内の上場製造業1,002社の単独決算が対象)で明らかになりました。
収益の急激な落ち込みに対応するため、人件費の圧縮を進めたことが大きな要因のようです。
 
◆人件費・労務費とは?
2009年度の従業員1人あたりの「人件費・労務費」は842万円(前期比5%減)となり、1999年度以来の低水準となったそうです。
人件費・労務費とは、損益計算書に記載された「販売費・一般管理費」に含まれる役員報酬・賞与、人件費・福利厚生費と、「製造原価」に含まれる労務費、福利厚生費などを合計したものです。
 
◆業績の大幅悪化が影響
2009年度における人件費低下には、2008年度の業績の大幅な悪化が影響しています。
2008年度(2009年3月期)は世界的な金融危機のあおりを受け、上場企業全体で7年ぶりの減収・経常減益となり、輸出企業を中心とする製造業では、最終赤字となりました。
そして、業績が大幅に悪化したために、多くの企業では翌年度に報酬削減や賃上げ抑制、賞与の減額などが実施されたのです。
 
◆明るい兆しも?
日本経団連の調査によれば、大企業の夏季賞与の最終集計結果は、組合員1人あたりの平均妥結額が75万7,638円(前年同期比0.55%増)と3年ぶりに増加し、非製造業では80万4,706円(同0.77%減)と減少したものの、製造業では74万1,395円(同1.02%増)と増加しました。

このように製造業にもわずかながら明るい兆しが見えてはいますが、景気の動向については、まだまだ予断を許さない状況にあると言えるでしょう。

 

◆「企業経営と賃金に関する調査」
独立行政法人労働政策研究・研修機構では、平成20年12月に「今後の企業経営と賃金のあり方に関する調査」として、全国の従業員50人以上を有する企業約15,000社(有効回答2,734社)を対象として大規模な調査を行い、その結果をまとめました。
調査内容としては、賃金の構成要素や賃金制度のあり方、制度見直しの方向で、経営環境や雇用に対する考え方についても含まれています。
 
◆雇用・賃金体系に対する考え方
雇用に対する考え方としては、できるだけ多くの社員について「長期安定雇用」を維持したいと回答した企業は約7割に上り、「従業員の生活を保障するのは企業の務め」と回答した企業は9割近くとなっています。
賃金体系については、過去5年程は年齢・勤続・学歴を重視する「個人属性重視型」が40.5%で最多でしたが、今後は職務遂行能力を重視する「職能重視型」が33.2%と最も多くなっており、成果主義賃金の典型である「短期成果重視型」は8.6%にとどまっています。
賃金制度を見直すにあたって重視する点については、以前・今後のいずれも「個々の職務遂行能力」、「個々の成果」を把握して賃金に反映させることがそれぞれ6割強となっています。
 
◆「職務遂行能力」を重視へ
ここ数年の不景気下で、非正社員だけでなく、正社員でも「雇用の安定」を求めにくい状況となっていますが、企業サイドとしては、以前同様「長期安定雇用」を目指していることがうかがえます。
しかし、その際に重視するのは、以前は「従業員の年齢や学歴」が中心となっていましたが、今後は「職務遂行にあたっての能力」であるということがこの調査により明確になっています。

今後は、職務遂行能力を向上させるための教育制度やその補助に関する充実がより求められるのではないでしょうか。

 

◆社員・元社員が未払い残業代を請求!
最近、未払い残業代をめぐる民事訴訟に関する報道が相次いでなされています。いずれも社員や元社員が、未払いの残業代があるとして会社に対して請求を行っているものです。
 
◆「残業代請求権放棄」に関する文書
不動産会社の社員・元社員5人が、会社に対して未払い残業代などの支払いを岡山地裁に求めていた訴訟の弁論で、「会社が社員に残業代請求権を放棄させるように誘導していた」として、その手順などを示した内部文書を証拠として提出したそうです。
この文書は「未払い賃金確定手順」という名称で、会社が未払い残業代を支払うように是正勧告を受けた際、支払額確定のために作成したものだそうです。残業代が成果給に含まれていることを社員に再認識させるよう上司に求め、成果給が多額の社員には「未払い賃金なし」で合意するように誘導し、そうでない場合は低額に抑えるよう指示をしていました。
社員側の弁護団では、「文書は労働基準監督署の是正勧告を愚ろうするものであり、誘導された確認書は無効である」と主張しているそうです。
 
◆「変形労働時間制」を理由に残業代未払い
飲食店で働いていた元アルバイト社員が、「1カ月単位の変形労働時間制を理由にして残業代が支払われなかったのは違法である」と主張して、働いていた会社を相手取り、未払い残業代などの支払いを東京地裁に求めていた訴訟の判決がありました。
東京地裁は、この男性の主張を認め、同社に対して時効分を除く約12万円の支払いを命じる判決を下しました。
同社では、変形労働時間制の採用を理由に1日8時間を超えた分の残業代を一部しか支払っていなかったにもかかわらず、勤務シフト表は半月分しか作成していなかったそうで、東京地裁は、労働基準法の要件を満たしていないと判断しました。
 
◆リスクへの対応が必要
未払い残業代をめぐっては、「企業における終身雇用体制の崩壊」や「残業代請求が認められることの認識の広がり」などから、企業が請求されるリスクは増大しているといえます。
企業としては、このような事態が生じないよう、日頃から十分な対策をとっておくことが必要になります。

 

◆3カ月連続で前年同月比が増
2010年2月におけるアルバイトの全国平均の時給は989円(前年同月比2.1%増)で、3カ月連続で前年同月比が増加しました。不況の影響で正社員の給料が下がりつつある中、なぜアルバイトの時給は上がっているでしょうか?
一般的に、景気回復の局面においては、「正社員の賃金よりも先にパートやアルバイトの時給が上がる傾向がある」と言われています。景気回復の初期には、企業は景気の先行きに自信が持てないため、正社員の賃金を上げたり採用を増やしたりするまでには至らず、まずは時給を上げてパート・アルバイトの採用を増やそうとするためだそうです。
 
◆要因の1つに「派遣法の改正」
アルバイトの時給アップの1つの要因に、「労働者派遣法の改正」が挙げられています。「登録型派遣」や「製造業務派遣」を原則として禁止する改正法が今国会で成立する可能性が高くなったことを受け、派遣社員を活用していた多くの企業で、改正を前に、派遣社員ではなくアルバイトなどの採用を優先する動きが出ているようです。
しかし、派遣社員経験者はアルバイトよりも正社員を希望する人が多く、安定した仕事を求めている人をアルバイトとして雇おうとすると、時給を上げる必要があり、その結果、時給を押し上げる要因となっているようです。
 
◆学生の就活優先も一因
最近では、就職難の中、アルバイトよりも就職活動を優先する学生が増え、時給を上げないとアルバイトを集めにくくなっている状況もあります。
例えば、「コンビニエンスストア」は、アルバイトの採用においては「飲食店」と競合しますが、時給は「居酒屋」などに比べて見劣りすることが多いため、時給を上げる必要に迫られているとの見方もあります。
また、アルバイト経験を就職活動に活かそうと考える学生が増えているため、学生が就職に役立つと考える「オフィスワーク」や「営業職」に人気が集まり、「家庭教師」や「引越し」などの分野を敬遠する傾向にあるようです。

学生の就職活動はますます厳しさを増しているため、企業にとっては学生アルバイトの確保が難しい状況は当面続くようです。