» 2010 » 7月のブログ記事

◆平成21年の発生状況

 厚生労働省の発表によれば、平成21年の職場における熱中症による死亡者数は8人(根全年は17人)だったそうです。昨年は少なかったといえますが、例年は20名前後で推移しています。業種別では、建設業(5人)が多くなっています。
 作業開始からの日数別にみると、88%が7日以内に発生し、発生月別にみると、すべて7月か8月に発生しています。
 
◆そもそも「熱中症」とは?
熱中症は、高温多湿な環境で体内の水分や塩分のバランスが崩れることにより、体内の調整機能が破綻して発症する障害の総称であり、以下のような様々な症状が現れます。
・めまい・失神
・筋肉痛・筋肉の硬直
・大量の発汗
・頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感
・意識障害・痙攣・手足の運動障害
・高体温
 
◆厚生労働省の取組み
厚生労働省では、「職場における熱中症の予防」について、平成21年6月に発出した通達に基づく以下の対策を図ることとしており、都道府県労働局や労働基準監督署による事業場への指導などにより、取組みを推進しています。
(1)職場の暑熱の状況を把握し、必要な作業環境管理、作業管理、健康管理等を行うこと
(2)計画的な熱への順化期間(熱に慣れ、その環境に適応する期間)の設定
(3)自覚症状の有無にかかわらない水分・塩分の摂取
(4)熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患(糖尿病等)を踏まえた健康管理など

詳細につきましては、厚生労働省ホームページ「職場における熱中症の予防について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006xcz-att/2r98520000006xjw.pdf)をご確認ください。

◆平成22年度の新入社員を対象とした調査

公益財団法人日本生産性本部の「就職力センター」と社団法人日本経済青年協議会では、平成22年度の新入社員を対象とした「働くことの意識調査」(55社2,663人が回答)の結果を発表しました。
この調査結果から、今どきの新入社員の考え方をうかがい知ることができます。
 
◆「お気楽志向」が減少
まず、「第一志望の会社に入れたか」との質問で「はい」と答えた人は55.2%で、昨年の62.3%からに7.1ポイント減少しており、厳しい就職活動だったことが表れています。
そして、「人並み以上に働きたいか」との質問では、「人並み以上」と答えた人が43.0%(前年は41.0%)、「人並みで十分」と答えた人が49.3%(前年は50.3%)との結果となり、「お気楽志向」が退潮したと分析されています。
 
◆「デート」よりも「残業」?
次に、「仕事中心か生活中心か」との質問では、「仕事と生活の両立」という回答が82.8%を占め、「仕事中心」との回答(9.2%)が「生活中心」との回答(7.9%)を上回っています。
そして「デートの約束があった時、残業を命じられたら、あなたはどうしますか」との質問では、「デートをやめて仕事をする」と答えた「残業派」の人が85.3%、「仕事をことわってデートをする」と答えた「デート派」の人が14.2%でした。この「85.3%」と「14.2%」の差は、昭和44年度の調査開始以来、過去最高の開きだそうです。
男女別に見ると、「残業派」の男性81.9%、女性88.8%で、女性のほうが仕事を優先する傾向が強いようです。
 
◆詳しい調査結果について

その他、詳しい調査結果(6月28日発表)については、公益財団法人日本生産性本部のホームページ(http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity000985.html)でご覧いただくことができます。

◆約500人の新入社員が回答

産業能率大学では、新入社員の意識や将来の目標などに関するアンケートを実施し、「2010年度 新入社員の会社生活調査」として発表しました。
この調査は、1990年から実施されているもので、今年度は151社515人を対象に実施し、505人(男性360人、女性145人)から有効回答を得て集計されています。
 
◆将来の展望について
今年度の新入社員については、将来の進路として「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」という「管理職志向」の人が44.3%となり、「役職には就かず、担当業務エキスパートとして成果を上げる」という「専門職志向」の人の44.0%を初めて上回ったそうです。一方、「独立志向」は不人気で、過去最低の8.7%にとどまったそうです。
また、「終身雇用制度を望むか」という質問では、「望む」人が71.1%で、過去最高だった前年度より2.4ポイント減少しました。「転職は挫折」と考える傾向が高いようです。
 
◆「理想の年収」と「現実予想の年収」
35歳時点での理想の年収については、過去最低となった前年度の731万円をさらに下回り、723万円となりました。この質問は2000年度の調査から続いていますが、その年と比較すると「1,000万円以上」の回答が大幅に減り、「600万円」という回答が大幅に増加しています。
また、現実を予想した年収も586万円で過去最低となっています。
 
◆企業側としてどう考えるか
この調査結果を見てみると、今年度の新入社員は、勤め人として「ふつうの道」から外れることを不安視する傾向にあるようです。独立は考えず、同じ会社に長期勤務して、管理職を目指し、年収についても無難な金額を望んでいます。

会社側として考えると、長期安定志向の社員というのは、中長期的な視点で見れば「人材育成ができる」という利点もあるのではないでしょうか。

◆「障害者雇用納付金制度」とは?

障害者雇用促進法では「障害者雇用率制度」が設けられており、常用雇用労働者数が56人以上の一般事業主は、その常用雇用労働者数の1.8%以上の身体障害者または知的障害者を雇用しなければなりません。
これを下回っている場合には、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて、1人につき月額5万円の「障害者雇用納付金」を納付しなければなりません。
一方、常用雇用労働者数が300人を超える事業主で法定の障害者雇用率(1.8%)を超えて障害者を雇用している場合には、その超えて雇用している障害者の人数に応じて、1人につき月額2万7,000円の「障害者雇用調整金」が支給されます。
 
◆改正点について
改正障害者雇用促進法が平成21年4月から段階的に施行されていますが、平成22年7月からは、以下の内容が施行されています。
(1)「障害者雇用納付金制度」の対象事業主の拡大
従来は、常用雇用労働者数が「301人以上」の事業主が対象(昭和52年以降)でしたが、「201人以上」に拡大されました。なお、平成27年4月からは「101人以上」に拡大されます。
(2)「障害者雇用率制度」の対象労働者の拡大
短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)が、障害者雇用率制度の対象となりました。これにより、常用雇用労働者の総数や実雇用障害者数の計算の際に、短時間労働者を「0.5カウント」としてカウントします。
 
◆改正の目的
上記(1)の改正の目的は、近年、障害者雇用が進展する中で、中小企業における障害者雇用状況の改善が遅れているため、障害者の身近な雇用の場である中小企業における障害者雇用の促進を図ることです。
また、上記(2)については、障害者によっては、障害の特性や程度、加齢に伴う体力の低下等により長時間労働が難しい場合があるほか、障害者が福祉的就労から一般雇用へ移行していくための段階的な就労形態として有効であるなどの理由から、改正がなされました。
 
◆改正の影響

今回の改正により、障害者雇用の促進が期待される一方で、初めて障害者を雇用する企業にとっては、作業施設・設備の改善、特別の雇用管理等が必要になるなど、一定の経済的負担を伴うこともあり、ハードとソフト両面での環境整備が必要となります。

◆日本は30カ国中29位
政府は、2010年版「男女共同参画白書」を公表しました。この白書によれば、高校以上で教育を受けた女性が仕事に就いている割合が、日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国の30カ国中29位だったそうです。
日本は66.1%で1999年に比べて4.7ポイント上昇しましたが、OECD全体の平均値である79.5%を大きく下回っており、学歴・能力があっても社会の中で活かす機会が少なく、受け皿が不十分である実態が指摘されています。
なお、上位からノルウェー(88.8%)、スウェーデン(88.0%)、イギリス(85.8%)と続いており、最下位は韓国(61.2%)でした。
 
◆十分活かされない女性の能力
白書では、「高等教育によって形成された女性の能力が、日本では就業の形で十分に生かされていない」と指摘されており、仕事に就いていたとしても、結婚・出産などを機に退職する女性が非常に多いとみています。
この他、男女の給与に格差があることも女性の就労を妨げている一因だと指摘しています。「女性全体の賃金総額が男性の4割弱と試算されること」、「賃金単価や就業時間、就業者数のいずれも男性の7割程度にとどまっていること」は、先進国では最低レベルと言われており、勤続年数や役職を男性と同じレベルにまで高める必要性があるとしています。
 
◆潜在力を活かす取組みが必要
今後の対策としては、「女性の能力を高め、それを発揮できる環境整備を進めていく必要がある」としており、仕事と子育てが両立できる就業環境の整備、理工系の分野における女性の活躍の機会を増やしていく必要性が指摘されています。
また、結婚や子育てに伴う退職が減少すれば、最大で445万人の労働力の増加につながるとの試算もされています。
 
◆「M字カーブ」の状態
就業者と求職活動をしている人の割合を示す「労働力率」については、女性は20代と40代に比べて30代の女性の労働人口の割合が落ち込む「M字カーブ」の状態が続いており、こうした女性たちや、潜在的な就業希望者も働けるようにすれば、女性の労働人口を現在の「2,770万人」から「3,215万人」に増やすことができるとされています。

ワークライフバランスの推進など、女性の潜在力を生かす取組みが、ますます求められます。