» 2010 » 9月のブログ記事

◆8月下旬に「報告書」原案を公表

厚生労働省の「有期労働契約研究会」では、8月下旬に会合を開き、今後の有期労働契約に関する施策の方向性を示す、「報告書」原案を公表しました。
有期労働契約者の範囲、通常の労働者との処遇の均衡、契約の更新・雇止めなど、今後の「有期労働契約」のあり方に大きな影響を与えるものと見られます。
 
◆有期労働契約者に関する現状分析と課題
上記の「報告書」原案では、有期契約労働者は、労使の多様なニーズにより増加しており、労働者本人の希望や意見を含めて眺めれば多様な集団になっていると、現状を分析しています。
そして、4つの職務タイプである「正社員同様職務型」(36.4%)、「高度技能活用型」(4.4%)、「別職務・同水準型」(17.0%)、「軽易職務型」(39.0%))」に分類し、就業形態、年齢などの多様な実態を踏まえたうえでの対応が必要であると指摘しています。
 
◆今後検討される内容
上記内容を踏まえたうえで、今後は、下記の項目を検討するとしています。
(1)契約締結事由の規制
有期労働契約の締結の時点で利用可能な事由を限定することを検討する。
(2)更新回数や利用可能期間に係るルール
一定年限等の「区切り」を超える場合の無期労働契約との公平、紛争防止、雇用の安定や職業能力形成の促進等の観点から、更新回数や利用可能期間の上限の設定を検討する。
(3)雇止め法理(解雇権濫用法理の類推適用の法理)の明確化
定着した判例法理の法律によるルール化を検討する。
 
◆法改正を含めた制度整備が必要

今後、中長期的に労働力が減少していくと予測される中、有期契約労働者を公正に処遇し、労働者が仕事と家庭生活との調和を図りつつ、生きがい・働きがいのある充実した生活を送ることができるよう、法改正を含めた制度整備がなされることが望まれます。

◆全国平均17円の引上げ

厚生労働省の中央最低賃金審議会では、2010年度の地域別最低賃金(時間額)の引上げの目安を全国平均で15円にすると答申していました(現在の713円からから728円へ引上げ)。
その後、各地方最低賃金審議会による調査・審議が行われ、9月9日までにすべての地方最低賃金審議会で答申があり、引上げの目安は全国平均で17円となり、最終的な全国加重平均額は730円となりました。
答申された最低賃金額は、今後、都道府県労働局において、関係労使からの異議申出に関する手続きを経たうえで正式に決定され、10月から発効の予定です。
 
◆「最低賃金」とは?
最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金額の最下限値です。
中央最低賃金審議会が定めた目安を基に47都道府県ごとに定められ、最低賃金に違反した使用者には罰金が科せられるとされています。
 
◆「全国最低800円」の確保はなるか?
政府は、2020年までの目標として「できる限り早期に全国最低800円を確保」と合意しています。今回も大幅な引上げについて議論されましたが、使用者側は最後まで慎重な姿勢を崩しませんでした。
政府目標は「2020年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る経済成長」が前提となっており、中小企業の生産性向上の取組みや、中小企業に対する支援などが課題となっています。

これらの前提条件が実現せず、施策の実効性がないまま最低賃金のみが大幅に引き上げられれば、企業の経営に影響し、雇用の喪失につながるとの懸念があります。

◆10年ぶりの低水準に

2009年度における上場製造業の従業員1人当たりの人件費が10年ぶりの低水準となったことが、日本経済新聞社の調査(新興市場を除く国内の上場製造業1,002社の単独決算が対象)で明らかになりました。
収益の急激な落ち込みに対応するため、人件費の圧縮を進めたことが大きな要因のようです。
 
◆人件費・労務費とは?
2009年度の従業員1人あたりの「人件費・労務費」は842万円(前期比5%減)となり、1999年度以来の低水準となったそうです。
人件費・労務費とは、損益計算書に記載された「販売費・一般管理費」に含まれる役員報酬・賞与、人件費・福利厚生費と、「製造原価」に含まれる労務費、福利厚生費などを合計したものです。
 
◆業績の大幅悪化が影響
2009年度における人件費低下には、2008年度の業績の大幅な悪化が影響しています。
2008年度(2009年3月期)は世界的な金融危機のあおりを受け、上場企業全体で7年ぶりの減収・経常減益となり、輸出企業を中心とする製造業では、最終赤字となりました。
そして、業績が大幅に悪化したために、多くの企業では翌年度に報酬削減や賃上げ抑制、賞与の減額などが実施されたのです。
 
◆明るい兆しも?
日本経団連の調査によれば、大企業の夏季賞与の最終集計結果は、組合員1人あたりの平均妥結額が75万7,638円(前年同期比0.55%増)と3年ぶりに増加し、非製造業では80万4,706円(同0.77%減)と減少したものの、製造業では74万1,395円(同1.02%増)と増加しました。

このように製造業にもわずかながら明るい兆しが見えてはいますが、景気の動向については、まだまだ予断を許さない状況にあると言えるでしょう。

◆政府の検討会が「報告書」を発表

政府の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」では、今後のメンタルヘルス対策に関する「報告書」を取りまとめ、発表しました。同検討会は、厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が今年5月にまとめた報告の中で「職場におけるメンタルヘルス対策」が重点の1つとされたことを受けて設けられたものです。
今回発表された「報告書」の内容が、今後の国によるメンタルヘルス対策、ひいては企業のメンタルヘルス対策にどのような影響を与えるのか、非常に注目されます。
 
◆検討会「報告書」のポイント
検討会「報告書」が示した内容のポイントは、次の通りです。
(1)労働者のストレスチェックの実施
一般定期健康診断の際に、「ストレスに関連する労働者の症状・不調」について医師が確認すること。
(2)産業医等との面接の実施、労働者のプライバシー保護
面接が必要とされた労働者については産業医等と面接を行う。その際、ストレスに関連する症状や不調の状況、面接が必要かについて事業者には知らせないこと。
(3)労働者の同意を得たうえでの産業医等の意見陳述
産業医等は、労働者との面接の結果、必要と判断した場合には、労働者の同意を得て、事業者に時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べること。
(4)産業医等の意見の明示、了解を得るための話合いの実施
事業者は、労働時間の短縮等を行う場合には、産業医等の意見を労働者に明示し、了解を得るための話合いを行うこと。
 
◆今後のメンタルヘルス対策に活かされるか
メンタルヘルス不調者対策が企業の労務管理上の重要な課題となっていますが、これまでの対策が期待した効果をあげているとは言い難いのが現状です。

厚生労働省では、今後、制度改正に向けた議論を始める予定です。今回の「報告書」の内容が、今後のメンタルヘルス対策に活かされることが大いに期待されます。

◆就職活動を漢字1文字で表すと?

株式会社毎日コミュニケーションズでは、卒業予定の学生を対象とした「マイコミ学生就職モニター調査」の一環として行っている「あなたの就職活動を漢字1文字で表すと?」の2010年調査の結果を発表しました。この調査は2000年(2001年卒業予定者対象)から毎年実施されており、今年で11回目となっています。
 
◆「苦」が2年連続で1位
上記の質問について、1位から10位までの結果は以下の通りとなっています。
・1位「苦」(前年1位)
・2位「楽」(前年3位)
・3位「迷」(前年2位)
・4位「進」(前年ランク外)
・4位「動」(前年6位)
・6位「耐」(前年8位)
・7位「難」(前年4位)
・8位「縁」(前年5位)
・9位「疲」(前年9位)
・10位「知」(前年ランク外)
 
◆結果から何が見える?
厳しい雇用状況の影響を大きく受け、「苦」が2年連続で1位となりましたが、「楽」が前年の3位から2位に浮上しました。これについては、就職活動が「楽(らく)だった」ということではなく、幅広い就職活動を通して多くの企業や人に出会えたことが「楽しかった」と回答している学生が目立ったそうです。
なお、過去に一度も10位以内に入っていなかった「進」が4位に入り、学生の前向きで積極的な姿勢も見受けられます。
 
◆来年の採用状況は?
厚生労働省の「労働経済動向調査」では、2011年新規学卒者の採用予定者数の前年との増減比較について、「増加」とする事業所の割合が、高校卒13%、大学卒(文科系)13%、大学卒(理科系)14%と、いずれも前年を上回ったとの結果が出ています。
厳しい雇用環境であることには変わりありませんが、学生たちにとってはやや明るい兆しが見えつつあるようです。

◆3,000名以上を対象としたインターネット調査

株式会社ユーキャンと株式会社アイシェアは、「女性の結婚・出産後の仕事に関する意識調査」(男性2,217名、女性1,243名が対象)をインターネット上で実施し、先日、その結果が発表されました。
 
◆女性と男性の考え方には大きなギャップ
結婚・出産後も働き続けたいと考えている女性は全体の46.1%との結果となりました。その理由としては、「結婚後も家庭だけでなく社会との関わりを持ち続けたいから」(25.2%)、「仕事が好きでずっと続けていきたいから」(21.0%)などが多く、経済的な理由である「夫の収入だけでは経済的に厳しいから」を挙げた人は4.6%とわずかでした。
男性では、結婚・出産後も妻に働いてほしいと考えている人が63.0%おり、「自分の収入だけでは経済的に厳しいから」(41.9%)との理由がトップで、女性と男性の考え方には大きなギャップがあることがわかりました。
 
◆再就職には資格取得が必要?
未婚の女性で、もし夫から「専業主婦になってほしい」と言われても結婚・出産後も働きたいと考えている人のうち、65.0%の人が「資格取得などの準備が必要」と考えていました。そして、そのうち73.7%の人がすでに資格取得に向けた学習を始めているとの結果が明らかになっています。
そして、結婚・出産後も働きたいと考えている女性の興味・あこがれのある資格のうち、上位6つは以下の通りでした。
(1)簿記(28.0%)
(2)行政書士(20. 8%)
(3)社会保険労務士(18.4%)
(3)医療事務(18.4%)
(3)マイクロソフト認定資格(18.4%)
(6)カラーコーディネーター(16.8%)