» 2010 » 10月のブログ記事

◆課題は「中小企業の人材育成」

日本における「ものづくり」を支える中小企業では、熟練技能者の持つ技術・ノウハウ・職人技を次世代に継承するため、人材育成が大きな課題となっています。また、失業者の雇用確保が大きな社会問題となっており、これらの人のための技術研修も併せて実施していくことが必要です。
このような現状に対応するため、全国中小企業団体中央会では、「ものづくり分野の人材育成・確保事業」(ものづくり担い手育成事業)についての申請(第2次募集)を、今年の11月5日まで受け付けています。
 
◆補助の対象となる事業
補助の対象は、地域の産業団体や業種別団体等との連携により、中小企業のものづくりの担い手や担い手になりうる者を対象とした教育・研修等(以下、「研修等」という。)を実施する大学や高等専門学校、高校等の教育機関、中小企業団体、民間企業等が実施する研修等です。
 
◆補助を受けるには
この事業の対象者として申請を行い補助を受けるためには、「応募資格」と「応募要件」を満たすことが必要となります。
応募資格は、(1)認可法人(中小企業団体中央会、商工会、商工会議所等)、(2)大学、専門学校、(3)株式会社、特例有限会社、合資会社、合名会社、合同会社等で、応募要件は、「常勤役職員が原則として3名以上いるなど、事業および組織運営が適切に行われ、かつ、管理運営体制が整備されており、本事業の円滑な実施に支障をきたすおそれがないこと」、「事業実施機関が中心となり、地域の教育機関、産業関係機関、民間企業、自治体等と協力して取り組むことができること」、「直近2年間で研修等の実績があること」等です。
 
◆対象となる経費
対象となる経費は、教育・研修等を実施する機関の人件費をはじめ、施設使用料や教材費等も含まれ、1件当たりの補助金額は、1,000万円以下となっています。

中長期的な人材育成を考える場合には、このような制度の活用も一度検討されてみてはいかがでしょうか。

◆前年度比1.7ポイント減で17%に

介護労働者の離職率が前年度比1.7ポイント減の「17.0%」となったことが、財団法人介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査」で明らかになりました。どのような要因があるのでしょうか?
 
◆採用率25.2%、離職率17.0%
この調査では、訪問介護員および介護職員の1年間(平成20年10月1日~平成21年9月30日)の採用率と離職率を調べた結果、採用率が25.2%、離職率が17.0%となりました。
1年未満の離職率は43.1%、1年以上3年未満の離職率は32.5%と高く、事業所側では、早期の離職防止や定着促進のため、「職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている」(56.5%)、「労働時間の希望を聞いている」(53.8%)、「賃金・労働時間等の労働条件の改善を行っている」(50.7%)などの方策をとっているようです。
 
◆教育や研修の状況
訪問介護員および介護職員に対する教育や研修の状況については、人材育成のため「教育・研修計画を立てている」が50.4%、「教育・研修に積極的に参加させる」が43.7%、「採用時の教育・研修の充実」が36.5%でした。
過去1年間の教育・研修内容では、「介護技術・知識」が73.2%、「安全対策」が60.5%、「接遇・マナー」が54.9%でした。
 
◆運営上の課題は?
介護サービスを運営していくうえでの問題点については、「今の介護報酬では、人材確保等に十分な賃金を払えない」(52.7%)がトップでした。

介護事業所にとっては、賃金や労働環境の改善にいかに取り組んでいくかが、定着率を上げるための鍵を握っていると言えるでしょう。

◆東京商工会議所が発表

東京商工会議所では、中小企業の経営者が人材確保・育成などに取り組むうえで重要と思われるポイントをまとめた「中小企業の人材確保・育成10カ条~企業成長の源泉は人材にあり」という小冊子(http://www.tokyo-cci.or.jp/chusho/10kajou/index.html)を発表しました。
日本の中小企業は、雇用の7割近くを担っていると言われていますが、労働条件などの平均値を見た場合に大企業と比べて見劣りすることが多いため、採用などの労働市場で苦戦を強いられているケースが多くあります。
 
◆10カ条の内容は?
発表されたこの冊子では、「人材の確保・育成は経営の存続とともに最大の経営課題」と位置付け、人材の確保・育成、評価・処遇や企業風土や組織構造といった観点から、経営者が取り組むうえで重要と思われるポイントがまとめています。
10カ条の内容は次の通りです。
(1)「働くことが楽しくなるような事業分野で勝負」
(2)「明確な方針をわかりやすく伝えよ」
(3)「トップが先頭に立って必死で育てる」
(4)「採用ミスは致命傷」
(5)「人が育てば企業も育つ」
(6)「部下の育成は仕事の一部」
(7)「制度や仕組みだけでは動かない」
(8)「中小企業らしさに誇りを持つ」
(9)「真似ずに学べ」
(10)「経営者は教育者」
 
◆業績向上の事例も掲載
この冊子には、会社独自の取組みによって不利な条件を克服し、自社の業績向上に結び付けた事例なども掲載されており、人材育成に悩んでいる企業の担当者にとって大きなヒントとなるのではないでしょうか。

◆創業500年超の企業は39社

帝国データバンクが行った「長寿企業」(創業100年以上)に関する実態調査によれば、創業100年以上の企業(個人経営、各種法人を含む)は2010年8月時点で2万2,219社あるそうです。
創業時期別にみると、「100年~150年前」が2万56社で、全体の9割が江戸時代末期から明治後期にかけて創業しています。創業300年超は605社、創業500年超は39社という結果でした。
 
◆最も古い企業は?
創業が確認できた企業のうちもっとも古かったのは、寺社仏閣建築を行っている「金剛組」(大阪市)の西暦578年(敏達天皇6年)で、聖徳太子が四天王寺建立のため百済から招いた工匠が始祖とされ、業歴は1400年以上に及びます。
 
◆業種別では「小売業」が最多
業種別に見ると、「小売業」(6,279社)がトップで、製造業(5,447社)、卸売業(5,216社)が続いています。小売業での業歴トップは、山梨県にある仏具小売の「朱宮神仏具店」で、創業は1024年(万寿元年)でした。製造業の業歴トップは京都市にある仏具製造の「田中伊雅佛具店」で、創業は885年頃(仁和年間)です。
都道府県別にみると、「東京都」(2,058社)がトップで、1349年(貞和5年)に創業した和菓子製造の「塩瀬総本家」が最も古い企業です。2位は「愛知県」(1,211社)、3位は「大阪府」(1,080社)となっています。
 
◆長寿企業の秘訣は「変化への対応力」
これら「長寿企業」永続の秘訣は、「変化への対応力」に尽きると言えるでしょう。
戦争・災害、産業構造の変化など、幾多の困難を乗り越えてきた原動力は、過去の成功体験にとらわれず、変化を恐れない姿勢に集約されています。

景気の先行きが不透明な今日において、長寿企業に学ぶべきことは多いのではないでしょうか。

◆1人月1万5,000円以上

IT業界においては、常に最先端で活躍するエンジニアとなるために、書籍を購入して勉強したり、セミナーに参加して最新技術に触れたりということが欠かせません。

そのための自己啓発費用は1人あたり月1万5,000円に上ることが、Tech総研(株式会社リクルート提供)がITエンジニア300名を対象に実施したアンケートでわかりました。
 
◆書籍・雑誌よりもネットで
自己啓発費用の内訳は、「技術関連の書籍代」2,841円、「通信費」9,346円、「セミナー参加費」1,402円で、「その他の費用」を含めると合計1万5,536円となりました。
ただ、各項目における「0円」回答を含めずに算出すると、その平均は「書籍代」5,074円、「通信費」1万159円、「セミナー参加費」9,779円などと大幅に増加します。「0円」回答の中には、その費用を会社が負担しているというケースが含まれているようです。
書籍代(雑誌も含む)と通信費の比較では、圧倒的に通信費が多くなっていますが、ネットで集められる情報が豊富になったことにより、書籍や雑誌を買う必要もなくなったということが考えられます。
 
◆「会社の支援なし」が36%
エンジニアたちの勉強意欲は旺盛で、「今年取得したいと思っている技術スキルや資格は?」との質問には、国家資格のほか、ベンダー資格やTOEIC、ビジネス系の専門資格を挙げる人もいました。
キャリアアップのために会社が設けている制度についての質問には、「セミナー参加費補助」と「資格取得支援」という回答が多くみられました。しかし、会社からの支援は「特にない」という回答も全体の約36%あり、会社にとって自己啓発支援のための余裕が以前に比べてなくなっているようです。
 
◆お金がかからない方法も

最近ではお金をかけない自己啓発も増えています。例えば、IT系企業や技術者団体が無料で開催するセミナーがあります。また、技術系のメルマガ購読などの手段も有効だと言えるでしょう。

◆上位10社のうち6社が電機業界

日本経済新聞が行った2010年の「働きやすい会社」ランキングが発表されました。
上位から「ソニー」「東芝」「パナソニック」「日立製作所」「凸版印刷」「富士通」「ダイキン工業」「日本IBM」「富士フイルム」「パナソニック電工」と名だたる企業が続いていますが、社員にとっての「働きやすさ」とは、どんなことなのでしょうか?
 
◆企業の人事・労務制度の充実度を点数化
この調査では、働きやすさの条件として、(1)社員の意欲を向上させる制度、(2)人材の採用・育成と評価、(3)働く側に配慮した職場づくり、(4)子育てに配慮した職場づくりの4項目が挙げられています。
上記の項目はいずれも人事・労務の充実度に関するものであり、これらを点数化し、働く人が何を重視するかを加味して配点が決定され、その結果がランキングに反映されています。
 
◆いかに働きやすい職場をつくるか
働く人が重視する項目に関するアンケートでは、「年次有給休暇の取りやすさ」(48.5%)、「実労働時間の適正さ」(35.6%)などが上位を占めています。
しかし現実的には、多くの社員が「年次有給休暇を取りにくい」、「長時間労働が慢性化している」などと考えている企業は、特に中小企業などでは多いと思われます。
 
◆会社と社員が一体となった取組みを

適正な人員配置を行い、業務の効率化を図り、労働時間の短縮を図ることは、企業経営にとって永遠のテーマであると言えるでしょう。そのためには、会社が作った制度を一方的に社員に押し付けるだけでなく、会社と社員が一体となって業務の効率化について真剣に考え、働きやすい職場としていくための取組みを行うことが必要なのではないでしょうか。

◆「未払い残業」に関するトラブル

このところ、「未払い残業代」をめぐるトラブル事例がマスコミを賑わせています。9月下旬には、大手旅行会社の子会社、流通業界大手のグループ会社の問題が相次いで取り沙汰されました。
今後、様々な要因から「残業代請求訴訟」等が増加するとも言われており、企業にとっては非常に気になる問題です。
 
◆みなし労働の適用をめぐって
阪急交通社の子会社である「阪急トラベルサポート」の派遣添乗員6名は、「みなし労働時間制」が適用されているのは不当であるとして、未払い残業代の支払いを求め、東京地裁に提訴していました。
先日その判決があり、同地裁の裁判官は「みなし労働時間制」の適用を認めたうえで、1人当たり84万円~271万円の支払いを同社に求めました。
判決では、携帯電話による報告や添乗報告書などによる労働時間の把握は困難であったと認定して「みなし労働時間制」の適用は認めました。しかし、ツアーごとに「みなし労働時間」を決定すべきであると判断したのです。
 
◆労基署の是正勧告を受けて
イオングループの「マックスバリュ東北」では、秋田県内の2店舗において未払い残業があるとして、今年の3月に労働基準監督署から是正勧告を受けていました。
その後、同社では、青森・岩手・秋田・山形の全90店舗における未払い残業についての調査を行い、過去2年間で従業員1,009人(8,687人中)が未払い残業を行っていたと認めました。従業員1人当たりの月間の未払い残業時間は平均7.1時間であり、今年の11月末までに未払い総額約2億2,000万円を支払うと発表しました。
 
◆「労務リスク」に備える!
多くの企業は「未払い残業」に関して、非常に大きな労務リスクを抱えています。過去の未払い残業代について、いつ従業員(または退職者)から請求がなされるか、労働基準監督署からの指摘を受けるかわからない時代となっています。

今後は、無駄な残業を発生させない仕組みづくり,労務管理上の工夫、就業規則・社内規定の整備等が、より一層求められるでしょう。

◆「年間休日」に関する調査結果から

人材紹介大手の株式会社インテリジェンスが行った「年間休日調査」の結果が9月中旬に発表されました。この調査は法人企業5,000社を対象とした大規模なものです。
企業における年間休日数については「120日以上」(76.2%)としているところが最多であり、以下、「100~119日」(21.4%)、「99日以下」(2.4%)と続いています。
 
◆業種別に見るとどうなっているか
業種別では、年間休日数が「120日以上」の企業の割合は「金融」(95.5%)、「IT」(95.4%)、「メディア」(82.1%)の順に多くなっています。逆に「120日以上」と回答した割合が少ない業種は、「小売・外食」(24.2%)、「建築・土木」(53.3%)、「サービス」(71.2%)となっています。
年間休日数が多い業種では、法人向けの事業を展開している会社が多く、年間休日数が少ない業種では、年中無休で店舗営業などしているケースが多く、また、土日祝日がかき入れ時となるため週休1日といったケースも多く、全体として休日が少なくなっています。
 
◆地域別に見るとどうなっているか
地域別では、年間休日が「120日以上」の地域の割合は「関東」(83.9%)が最多でした。以下、「東北」(70.2%)、「関西」(68.7%)、「北海道」(58.8%)、「九州・沖縄」(56.6%)、「中国・四国」(55.6%)と続いています。
この結果には、地域の産業構造が影響していると分析されています。「関東」や「関西」には比較的休日の多い業種(金融やITなど)が集まっているため、年間休日数が多くなっています。

逆に、「中国・四国」や「九州・沖縄」などは、大手メーカーの下請工場や365日稼動しているコールセンターなどが比較的多い地域です。このような企業では、従業員がシフト制で勤務している場合が多く、長期の休暇が取得しづらい傾向にあります。