» 2010 » 12月のブログ記事

◆「本業のかたわら」が8割以上

リクルートワークス研究所から「日雇い・短期派遣労働者の就業実態調査」(今年8月に実施。1,916人の回答を分析)の結果が発表されました。
これによれば、日雇い・短期派遣で働く人のうち、副業・求職活動・家事・学業など、「本業のかたわら」に日雇い・短期派遣で働く人の割合は、全体の85.6%だそうです。これに対して、日雇い・短期派遣就労が生活の中心である「短期派遣専業」として働く人の割合は、わずか11.0%でした。
 
◆日雇い・短期派遣で働く理由
日雇い・短期派遣として働く理由としては、「副業」「学生」「主婦」の人の場合は「都合のよい時にだけ働けるから」が多く、「短期派遣専業」「失業・求職中」の人の場合は「すぐに収入が必要だから」が多いとの結果でした。
「都合のよいときだけ」「すぐに収入」がキーワードのようです。
 
◆就業日数・収入
また、日雇い・短期派遣で働く人の1カ月の平均就業日数は14.4日で、そのうち日雇い・短期派遣による就業日数は6.6日(45.9%)でした。

1カ月の収入は平均で9.9万円であり、そのうち日雇い・短期派遣による収入は3.4万円(34.6%)でした。

◆若年失業者は約50万人

現在、若年失業者(15~24歳)の数は約49万人で、このうち学校を卒業後、一度も就職しないまま失業者になっている人は約12万人に上るそうです。
この年齢層の失業率は8.0%(今年9月時点)で、25~34歳の層でみても5.9%と全世代の平均を上回っており、厚生労働省では「若年雇用は予想以上に厳しい」としています。
また、就職できた若年層についても、手取り収入が減少しています。厚生労働省の調査をもとにした20~30歳代の平均年収(大学卒・大学院卒の男性)の推計は、2009年は前年比4.2%減の478万円となり、3年連続のマイナスでした。10年前と比較すると34万円も減っています。
これは、業績低迷でボーナスが減ったり、賃金の低い非正規雇用の仕事に就かざるを得なかったりする人が多いためと考えられます。
 
◆非正規雇用社員の男性の既婚率は17%
厚生労働省の資料を基に試算すると、今年9月までの12カ月の累計結婚数は69万組台で、このままいくと、2010年は通年で23年ぶりに70万組の大台を割り込むようです。
20~39歳の男性では、正規雇用社員は約51%が結婚していますが、非正規雇用社員では約17%となっています。
2005~2008年に結婚した40歳までの男性を、結婚時点の所得階層別にみると、年収400~500万円では26.0%が結婚していますが、100万円未満は8.9%しか結婚していません。
 
◆「将来への不安」が少子化に影響
上記のように、仕事や収入が安定している若年者は結婚・独立がある程度容易ですが、非正規雇用や低収入の若年者は、親元から離れることができない状況にあります。
その結果、若年層の結婚数が減り、出生率も低迷し、少子化が一段と加速していく可能性があります。

経済や社会保障への影響を考えると、政府の若年者に対する雇用改善政策が急務だと思われます。

◆「高度人材」が減少傾向

いわゆる「高度人材」とは、専門的な知識や技術を持つ外国人労働者のことであり、「人文知識・国際業務」か「技術」の在留資格で滞在する人を指す場合と、「投資・経営」「法律・会計業務」などを含めた13分野でみる場合とがあります。
前者の狭義2分野では約12万人、後者の広義13分野では20万人以上が、現在、日本に滞在していると言われています。
専門性が高い「技術」などの分野で、日本で働くための在留資格を得た人の数は、2007年に2万2,792人と2002年の2倍強まで増加した後、2008年から減少に転じ、2009年には1万人を割り込んでいます。
 
◆減少の原因に受入れ体制の不十分さ
経済産業省の調査によると、高等教育を終了した人口に占める外国人の比率は、わずか0.7%で、英国の16%や米国の13%に比べてかなり低いことがわかります。
スイスの研究所が発表した、高度人材からみた労働市場の魅力度では、日本は42位と、欧米諸国や英語圏のみならず、順位を上げている中国や韓国をも大きく下回っています。
この要因として、「英語の生活インフラが整っていない」「教育に適した学校がない」といった、日本側の受入れ体制の不十分さの問題が指摘されています。
日本が成長していた時代は日本に滞在する外国人は多くいましたが、昨今では、日本に残るメリットを感じる外国人は少なくなっているようです。
 
◆雇用環境の悪化も影響
高度人材の減少傾向の要因の1つに、国内の雇用環境の悪化があります。ある技術者派遣最大手の企業では、ピーク時には約5%が中国人技術者でしたが、リーマン・ショックの影響により、2009年4月以降の採用は、現在ではピーク時の3分の1に減っています。
一方、日本で働く外国人社員を、2007年と比べて7割も増やし、海外での直接採用も積極的に行っている企業もあるようです。
危機感を持つ産業界においては、高度人材の誘致に向けた優遇措置を政府に求める声が上がっており、永住許可の条件緩和や、外国人が帰国するときにもらえる年金の一時金が掛け金に見合わず不利になっている現行制度を見直す案が浮上しているようです。

このままでは、高度な知識の集積などにおいて他国に後れを取り、中長期で見た場合の国の競争力の低下につながりかねないと懸念される中、早急な対応が求められています。

◆転職活動期間が長期化傾向に

株式会社リクルートが発表した「転職者の動向と意識に関する調査」(2010年7~9月期)の結果を発表しました。
この結果によれば、労働者の平均転職活動期間が調査開始以来最長の「5.7カ月」となったそうです。ここにも不況の影響が現れているようです。
 
◆転職者の活動状況
転職者の活動状況について、まず「応募する会社の数」については平均で23.4社となっています。転職先の業種別にみると「IT・通信系」の29.5社、職種別にみると「技術系(ソフトウエア・ネットワーク)」の30.4社が最多となっています。
次に「前職を辞めたタイミング」については、「転職先が決まる前に」が67.2%、「転職先が決まってから」が26.3%となっています。
そして、「転職活動の期間」については、調査開始以来、最長の平均5.7カ月となりました。転職先の業種別にみると「商社系(電機・電子・機械系)」の8.6カ月、職種別にみると「技術系(電機・電子・機械系)」の7.2カ月がそれぞれ最長となっています。
 
◆転職者の気持ち
 この調査では、転職が決まった人に対して最後に「転職活動を終えた今の気持ち」という質問をしています。その中からいくつか挙げておきます。
・「自分が新たな道で、新しい可能性を見出せる職場に出会えることができて、本当に転職をして良かった」
・「終わったというより、これから始まるという気持ち。ホッとするものの、より緊張する」
・「非常に厳しい現状を再認識した。これを良い経験とし、さらに頑張りたいと思う」
・「やりたい仕事で正社員として就業できたので心から嬉しいが、今からが本番なので気を引き締めている」
・「厳しい経済情勢の中、手を差し伸べてくれた企業の気持ちにこたえたいと思う」

・「ホッとしたのと同時に、スキルアップのための努力をもっと重ねなくてはいけないと考えている」

◆5都市でインターネット調査

味の素株式会社では、世界のビジネスパーソンの「睡眠時間」や「睡眠の満足度」に関するインターネット調査を行い、その結果を発表しました。
この調査は、東京、ニューヨーク(アメリカ)、パリ(フランス)、ストックホルム(スウェーデン)、上海(中国)の30代から50代までのビジネスパーソン(男女計891人)を対象に実施されたものです。この結果を見ていきましょう。
 
◆睡眠時間の長さは東京が最下位
睡眠時間の長さについては、東京がダントツで最下位となりました。
(1)上海……7時間28分
(2)ストックホルム……7時間8分
(3)パリ……6時間55分
(4)ニューヨーク……6時間35分
(5)東京……5時間59分
東京のビジネスパーソンの睡眠時間の短さの原因は、「就寝時間の遅さ」(5都市で唯一の午前0時台)でした。
 
◆睡眠の満足度は?
また、睡眠の満足度について「満足」と回答した人は、東京では30%以下であったのに対し、他の4都市では50%以上が「満足」と回答していました。
一方、「不満」と回答した人は、東京は約49%で5都市のうち最も高く、ワースト2のパリ(約38%)よりも10ポイント以上も高くなっています。
 
◆睡眠時間6時間未満では「早死」のリスク
なお、ウォリック大学(イギリス)とフェデリコ2世大学(イタリア)が今年5月に発表した共同研究結果によれば、1日の睡眠時間が6時間未満の人は「早死するリスク」が高くなるとされています。
この共同研究は、10年間にわたり世界各国の130万人以上を対象に調査したものであり、睡眠時間が1日6時間に満たない人が早死にする確率は、6~8時間の睡眠をとる人に比べて12%も高くなるとのことです。

この研究チームを率いた教授は、「睡眠時間が短いと糖尿病や肥満、高血圧や高コレステロールを引き起こしやすい」と指摘しているそうです。

◆「働きがいに関する意識調査」の結果

株式会社NTTデータ経営研究所では、今年9月に「働きがいに関する意識調査」を行い、先日その結果が発表されました。
この調査では、「働きがい」、「働きがいを高める要因/阻害する要因」、「心の疲弊感」などに関する質問を行っており、昨今の厳しい経営環境過で社員がどのようなことを考えて働いているのかがわかり、大変参考になると思います。
 
◆「働きがい」は低下傾向に
まず、「現在、働きがいを感じていますか」との質問では、「感じている」(13.0%)との回答と「やや感じている」(39.4%)との回答を合わせると、52.4%の人が働きがいを感じていることがわかりました。
しかし、3年前と比べて「働きがいが低くなった」と感じている人(44.8%)は、「働きがいが高まった」と感じている人(22.5%)を大きく上回っています。
 
◆何が働きがいを高め、阻害しているか
働きがいを感じているグループにおいて「働きがいを特に高める要因」について、「仕事の価値の実感」(91.7%)、「仕事を通じての成長実感」(87.9%)、「仕事を通じての力の発揮」(86.3%)、「仕事が適性に合っている実感」(85.5%)、「仕事を通じた達成感」(78.2%)が上位を占めました。
逆に、働きがいを感じていないグループにおいて「働きがいを特に阻害する要因」について、「会社での将来のキャリアイメージが描けない」(91.7%)、「会社では創造的な仕事を促す環境作りがない」(86.1%)、「会社の仕組み・制度・組織が整備されていない」(79.9%)、「会社の経営陣による折に触れたビジョンの発信がない」(78.6%)、「会社の将来性がない」(78.4%)が上位を占めました。
 
◆社員の「モチベーションアップ」
また、「今の仕事をする中で、心の疲弊感を感じていますか」との質問に対しては、「感じている」と答えた人が26.6%、「やや感じている」と答えた人が43.1%で、合わせて約7割(69.7%)の人が「心の疲弊感を感じている」ことが明らかになりました。

これら「働きがい」や「疲弊感」の有無については、社員の個人的要因に基づく場合も多いとは思います。しかし、会社として社員一人ひとりの「モチベーションアップ」に貢献できることはないかを考えてみることも大事ではないでしょうか。

◆各都道府県労働局で一斉に実施

厚生労働省は毎年11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施し、長時間労働やサービス残業の解消を促す取組みを行っていますが、その一環として今年11月6日に各都道府県労働局で一斉に行った「労働時間相談ダイヤル」の相談結果を発表しました。
相談件数は787件(昨年度比114件減少)で、労働者本人からの相談が495件(62.9%)、労働者の家族からの相談が235件(29.9%)で、相談内容は、「賃金不払残業」に関するものが438件(55.7%)、「長時間労働」に関するものが247件(31.4%)を占めています。
以下に、この「労働時間相談ダイヤル」における相談内容の事例を紹介します。
 
◆「賃金不払残業」に関する相談内容例
(1)卸・小売業で働いている労働者からの相談
スーパーで勤務しています。労働時間は自己申告で管理しており、1カ月100時間を超える残業をしていますが、正しく申告できない状況にあるため、残業手当が一部しか支払われていません。
(2)製造業で働いている労働者からの相談
工場で働いています。交替制勤務ですが、1日4~5時間の残業が慢性化しています。タイムカードは終業時間で打刻させられるので、その分の残業手当が全然支払われません。
 
◆「長時間労働」に関する相談内容例
(1)卸・小売業で働いている労働者からの相談
清涼飲料水の自動販売機への商品の補充作業をしています。ほとんど毎日のように1日13時間に及ぶ勤務ですので、1カ月にすると120時間以上の残業をしており、家族団らんの時間が作れません。
(2)警備業で働いている労働者の家族からの相談
夫がシステム関連の仕事をしています。残業や休日労働が多く、長い月で1カ月150時間を超える残業や休日労働をしています。労働時間を自己申告していますが、実際の時間を申告するのは困難なため、会社は労働者の労働時間について適正に把握していません。夫の健康状態が心配です。
 
◆労使トラブルは近年増加傾向

近年、労働時間や割増賃金に関する労使トラブルは増加傾向にあります。法律を遵守するのはもちろんのことですが、トラブルを発生させないよう、日頃から労使間で十分なコミュニケーションを図りつつ、社員の「ワーク・ライフ・バランス」にも気を配らせる取組みが必要です。