◆違法派遣に対する指導監督を強化
労働者派遣法は、ソフトウェア開発や通訳など専門性の高い26業務を除いて、派遣可能期間(原則は1年。最長で3年)の制限を超えて継続して同一就業場所ごとの同一業務に派遣をしてはならないと定めています。
しかし、この派遣可能期間の上限を免れるために、契約上は「専門26業務」と称しつつ、実際には専門性のない業務を行わせている違法派遣が横行している状況があります。そこで厚生労働省は、今年2月に「専門26業務派遣適正化プラン」なるものを策定し、集中的に指導監督を実施すると発表しました。
 
◆プランの具体的内容は?
具体的には、平成22年3月~4月の2カ月間に集中して次の(1)(2)を行い、さらに(3)を行うとのことです。
(1)大手派遣会社を中心に調査を行い、違法派遣の適正化に向けた厳正な指導監督を行うこと
(2)派遣会社や派遣先になりうる団体に出向いて適正な対応を要請すること
(3)集中期間経過後も引き続き厳正な指導監督を行うこと
なかでも、一般事務とは区分されにくい「事務用機器操作(5号業務)」や「ファイリング(8号業務)」については、その解釈について改めて示されていることからも、特に重点的に指導がなされるようです。
 
◆今後の労働者派遣についての動向
現在国会で審議中の改正労働者派遣法が成立すれば、さらなる規制強化が行われます。仕事があるときだけ働く「登録型派遣」は専門26業務を除いて禁止され、製造業務への派遣も原則として禁止されます。
このため、派遣社員について、期間従業員として直接雇用契約を結ぶなどの対応策を取り始めている企業もあるようですが、派遣社員に比べて柔軟な採用が難しいため、人数は絞られています。また、直接雇用による人件費負担増を見越して海外へ拠点を移転させる動きも見られます。

なお、今回の「専門26業務派遣適正化プラン」や「改正労働者派遣法案」は、派遣元・派遣先にとって厳しいものであることは間違いありませんが、働き手にとっても働く機会を奪われる可能性が大いにあるのではないかと指摘されています。