◆広がりを見せる「選択制」

運用次第で将来の受給額が変わる「確定拠出年金制度」(日本版401k)が導入されて約10年が経ちましたまが、導入企業の従業員のうち、希望者だけが確定拠出型を選択することのできる「選択制」が広がってきているようです。
 
◆「確定拠出年金制度」とは?
年金には、全国民共通の基礎年金(1階部分)と会社員の厚生年金など(2階部分)に加え、個人や企業が任意に上乗せを行う部分(3階部分)があります。
そして、3階部分の運用方法には大きく分けて「確定給付型」と「確定拠出型」とがあり、前者は将来の給付額が確定しているもので、後者は掛金が確定しているものです。
確定拠出年金制度は、毎月、掛金を積み立てて、その資金を運用しながら老後の備えをする制度であり、会社が掛金を負担する「企業型」と個人が掛金を負担する「個人型」とがあります。
 
◆給与の減額部分を財源に
確定拠出年金は、本来、企業が掛金を拠出し、それを従業員本人が運用しますが、資金に余裕のない企業にとっては導入が難しいものです。そこで、掛金を上積みするのではなく、給与から確定拠出年金に拠出する金額を減額し、運用を希望する従業員は拠出金額を掛金として運用し、希望しない従業員は従来通りの給与を受け取るという方式が増えています。
「給与が減っては意味がないのでは?」と思われるかもしれませんが、受け取る給与額は掛金を含めると従来通りの金額となり、給与が減るとその分の税金や社会保険料の負担も減ります。また、掛金は全額、所得控除の対象となるため、節税効果も生まれます。
 
◆デメリットはあるか?
しかしながら、デメリットもあります。給与を減額して掛金に移す方式では、給与額で決定される厚生年金保険料の等級が下がる可能性があり、将来の年金受取額が減るおそれがあります。

総合的には利点が大きいケースがほとんどですが、給与水準や年齢などによって変わることもあるため、個別に確認することが必要です。