大阪の社会保険労務士、村田社会保険労務士事務所による労務管理情報

「オモシロ手当」の導入で業績アップにつながる?

管理職に「部下手当」を導入!

上司が部下との付き合いを円滑に進めるのはなかなか難しく、コミュニケーションを図ろうと仕事が終わった後にお酒を飲みに行ったりする場合などは、どうしてもお金がかかってしまうものです。
マンション分譲大手の日本綜合地所は、今年の4月から、部下との会食や冠婚葬祭のための費用に充ててもらう目的で、管理職を対象に「部下手当」を導入すると発表しました。"フトコロ"の心配をせずに部下とのコミュニケーションを積極的に図ってもらい、間接的に業績アップにつなげるのが狙いだそうです。

 

支給対象・支給額はどうなっている?

この部下手当の支給の対象となるのは副課長以上の約60名(部長級23名、それ以外の管理職39名)で、毎月の支給額は月10万から30万円の範囲となるそうです。部下が20名以上の部長級で「30万円」、部下が19名以下の部長級で「20万円」、それ以外の管理職(課長、副課長)は「15万〜10万円」となります。
この部下手当は給与の一部として支給されますが、管理職手当などとの違いを明確にするため、通常の給与の振込口座とは別の口座に振込を行うなど、工夫するそうです。
同社では従来、取引先との付き合いなどの費用は経費として処理してきましたが、部下や同僚との社内の飲み会は自己負担となっていたそうです。この部下手当の導入により、年間約1億5,000万円の負担増を同社では見込んでいます。

 

優秀な教授に最高20万円の特別手当

東北大学では、今年の4月から、研究や社会貢献活動で業績を上げた教授を「優秀教授」(ディスティングイッシュト・プロフェッサー)として選出し、最高で月額20万円の特別手当を支給することを決めたそうです。
国内外から優秀な人材を確保して大学の競争力を高めるのが最大の目的で、全国の国立大では初めての試みだそうです。2008年度は、約800人いる教授の中から各部局長の推薦をもとに約25人を選出して、それぞれ任期は3年になるとのことです。
大学間の人材獲得競争が激化している今、同大学では、「能力のある人物は高く処遇し、その姿勢を世界に示したい」と話しています。
日本綜合地所も東北大学も、それぞれの手当に見合うだけの効果(またはそれ以上の効果)を期待しているようですが、果たして結果はどうなるか、注目したいところです。
皆さんの会社でも参考にされてみてはいかがでしょうか。