大阪の社会保険労務士、村田社会保険労務士事務所による労務管理情報

大手企業の人員削減で中小企業に人材獲得の好機

中小企業にチャンス到来?

大手企業による非正規社員の削減や内定取消しが相次いで報道されていますが、中小企業がこの機会を「人材獲得の好機」として捉え、自社の体制強化のため、積極的な採用に乗り出す動きが見られるようです。

 

なぜ今が人材獲得の好機なのか

最近、業績悪化などを理由に他社に内定を取り消された新卒者や雇止めにあった非正規社員らを対象に、中小企業がハローワークなどを通じて募集をかけ、採用活動を活発に行う動きが見られます。これまで、優秀な新卒予定者は大手に囲い込まれてきたため、中途採用で人材を賄ってきた中小企業は多く、業績悪化により大手企業が採用数を減らせば中小企業を就職先として検討する学生が増えると見込み、優秀な学生を確保したいと考える企業も多いようです。
また、「景気回復時に備えて戦力を育てておきたい」、「組織力を底上げする意味でも若い人材が必要」と考える中小企業の経営者も多く、景気が回復すれば再び中小企業は採用難になる可能性が高いだけに、現時点で少しでも余裕のある企業は採用活動に力を入れる傾向にあります。
働く側の意識にも変化が見え始めており、会社の知名度や規模だけに捉われず、事業内容や財務内容を見定めたうえで、中小企業を就職先として選ぶ人も増えてきているようです。規模は小さくても経営が安定し、成長分野の事業を持つ企業の募集に応募者が殺到するケースも見受けられます。

 

厳しさの中での採用活動はいかに

景気後退を逆手に、優秀な人材獲得の好機として採用活動を積極的に行う中小企業もあれば、やはり大手企業と同様に、人員削減を実施しなくては苦境を乗り切れない状況にある中小企業も現実には多く存在します。厳しい現状の中で、採用活動に多くの費用と時間をかけることができない企業も多いかもしれません。
しかし、積極的な採用によって、特定の年齢層の社員が不足しがちという中小企業特有の問題を改善できるチャンスとも考えられます。また、何よりも若い力を取り入れることにより、組織活性化や職場風土改善の起爆剤となり、将来の会社の屋台骨をささえる"人財"を育成できる可能性も秘めています。
非常に厳しい状況ではありますが、優秀な人材を獲得できる好機と言われている今、長い目で見ると「将来への投資」として採用活動を行うことにも大きな意味があるかもしれません。