大阪の社会保険労務士、村田社会保険労務士事務所による労務管理情報

労災が認定された最近の事例から

保護者の要求でうつ病の保育士に労災認定

兵庫県の私立保育園で、園児の保護者から執拗なクレームを受けたことが原因でうつ病やストレス障害となった女性保育士2人が、西宮労働基準監督署に労災認定されていたことが明らかになりました。
保護者の父親は、担任を代えることなどを強く要求していました。保育園では謝罪したり話合いの機会を設けたりしていましたが、父親の要求はますますエスカレートしていったそうです。
これにより、担任の保育士3人のうち2人が休職し、うつ病やストレス障害と診断されました。2人は昨年4月に、西宮労基署に労災を申請して同年 11月に労災認定されました。認定された2人のうち1人は退職してしまったそうです。

 

過労が原因で自殺した外科医に労災認定

栃木県の病院に勤務していた男性外科医が自殺したのは過労が原因だったとして、鹿沼労働基準監督署がこの医師を労災認定していたことが明らかになりました。このケースでは、過重労働のほか転勤や医療ミスによるストレスが原因でうつ病を発症したと認定されています。
この医師は大学卒業後の2000年 12月から埼玉県内の公立病院に勤務し、2002年5月から栃木県内の病院に移ってからうつ病を発症して同年6月に自殺しました。前任地では月 80時間を超える時間外労働が恒常的に行われ、転勤後の2002年5月下旬には医療ミスを起こしたことに悩んでいたそうです。
代理人の弁護士は「激務が問題となっている外科医の過重労働が認められた意義は大きい。国は早急に勤務条件の改善に務めるべきだ。」と指摘しています。